
今回は、『自宅で出来る、足のむくみ解消法』のメリット・デメリットを比較してまとめてみました。
ちなみに、医学用語では”むくみ”の事を『浮腫(ふしゅ)』と呼びます。色々な書籍やテレビ番組などでも頻繁に出てくる言葉なので、覚えておくと役立ちますよ☆
『夕方になると、足がパンパンで歩くのもつらい・・・』、『一晩経っても、むくんでる。朝から靴がキツい・・・』など、多くの人を悩ませる頑固な”足のむくみ(浮腫)”。
インターネットや書籍などでも足のむくみ対策の方法・解消の方法などを目にすることが多くなりましたが、どれが一番良い方法なのか気になりますよね?
なかには、いろいろ試してきたけど『実感がない!』とか『満足できない!』という理由で、諦めてしまった方も多くいらっしゃるかもしれません。
しばらく試しても実感がなかったり納得できなかったら、続けるのも嫌になりますよね。でも、その方法って本当に自分に合った方法だったんでしょうか?
足のむくみを解消するのに大切なことは続ける事です。
毎日続けるためには『自分のむくみに合った方法』、『自分のライフスタイルに合った方法』を選ぶことが大切です。自分のむくみに合う方法がバッチリ見つかれば、楽に続けやすくなるかもしれませんね☆
目次
1 むくみを解消するとどうなる?

むくみを解消すると・・・
- パンッと張った、嫌な痛みから解放される。
- 重さやダルさから解放される。
- デニムやパンツの脱ぎ履きが楽になる。
- ブーツやパンプスが楽に履けるようになる。
- スタイルが良く見える。
- コンプレックスから解放される。
- 自分に自信が持てるようになる。
- 気分が軽くなる。楽しくなる。
などなど、結局は良い事しかないですよね?
では、早くむくみストレスから解放されるように解消法を探っていきましょう☆
2 足のむくみを解消する方法
現在、足のむくみの初期治療では『専門家の指導の下、医療用の弾性ストッキングを着用する』という方法のみが一般的となっています。
たかが足のむくみと、そのまま放置しておくと静脈瘤や下肢の皮膚の褐色調変色、下腿の皮膚潰瘍など重症化してしまうため初期の対処が必要とされています。しかし、日本では、専門家の指導の下での医療用弾性ストッキングなどによる圧迫療法しか初期治療での選択肢がありません。 (Page2 下段)
引用 エスエス製薬 報道用資料 より
しかし、この方法だけやっておけば完璧に解消できる訳ではありません。あくまでも一般的に広まっているだけです。
では、他の解消方法も見ていきましょう。他の方法を試してみたら、今までとは違った結果も得られるかもしれませんよ☆
2-1 加圧ソックス/弾性ストッキングを履く

現在、一番広く知られている方法です。市販も商品も多くありますので、色々と種類を変えて試せるのが嬉しいですね。市販の商品以外に病院で保険適応されるモノもありますが、その場合色々な決まり事などもあります。
【病院で買える弾性ストッキング】
病院で保険を適応されるには、むくみの種類がガン治療の後などで発生する『リンパ性の浮腫』である事などの制限があります。
【支給対象となる疾患】
リンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍(悪性黒色腫、乳がんをはじめとする腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍、至急悪性腫瘍、子宮附属器悪性腫瘍、前立腺悪性腫瘍及び膀胱をはじめとする泌尿器系の骨盤内のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍)の術後に発生する四肢のリンパ浮腫
他にも決まり事があり、
- 着圧の強さが決められている。装着に支障がある場合は、お医者さんの指示で変更される。
- 支給回数は1回、1部位につき2着まで。
- 1部位に2種類以上必要な場合は、お医者さんの指示があればそれぞれ2着まで保険適用可能。
- 複数部位に必要な場合は、お医者さんの指示があればそれぞれ2着まで保険適用可能。
- 2回目以降の購入は、前回購入から6か月経過後から可能。
- 価格は1着当たり
- 弾性ストッキング(足) ¥28,000(片足用の場合は¥25,000)
- 弾性スリーブ(腕) ¥16,000
- 弾性グローブ(手) ¥15,000
を上限に支給(保険適用)する。 厚生労働省HP より抜粋
など、信頼性はありますが制約も多そうですね。
メリット
- お医者さんに診てもらえるから安心。
- 信頼性のあるモノが買える。
デメリット
- 色々と制限があるので取っつきにくい。
- 購入時は自費で払い、その後に自分で健康保険に請求する形になる。
【市販の弾性ストッキング】
市販の商品の場合は、かなりの種類が販売されているので選び放題なところがあります。その中でも、『医療機器』として扱われている商品などもあります。
一般商品と医療機器の違いで分かりやすいのは、”効果・効能”をうたえるかどうかです。
例えば、『血行促進・効く・むくみ・疲れ』などをうたっている商品が”医療機器”として扱える商品です。薬事法で決められています。
それ以外の一般商品でうたえる文句としては『足すっきり』ぐらいになってしまいます。医療機器として扱える商品は信頼性が高いので安心感がありますね。
最近はスポーツ用のタイツなども優れた商品が多いのですが、あくまでもスポーツ使用を前提に作られているので用途を考えてから使うようにしましょう。

メリット
- 市販品なので、抵抗なく買える。
- 色んな種類があるので、自由に選べる。
- 医療機器として認定された、信頼性の高い商品もある。
デメリット
- 種類が多すぎて、どれが良いのか分かりづらい。
- モノによっては、合う合わないがある。
2-2 マッサージをする

むくみ(水分代謝)に関係するのは、静脈が80~90%でリンパが10~20%と言われています。ほとんどが静脈に関係するので、血液循環を整えるためのマッサージをしてみましょう。
ここでは、リンパマッサージには触れず、『血液循環・水分代謝・筋肉の過緊張をほぐす』ための東洋医学のツボ(経穴)のマッサージで考えていきます。
【陽稜泉・ようりょうせん】
膝関節より少し下の外側にあるボコッと突き出た骨(腓骨)の少し前方のくぼみをいう。
”陽”は陰陽でいう『陽』である外側を指します。”陵”は、丘のようにボコッと盛り上がった腓骨部分をいいます。”泉”は、腓骨と脛の骨との間にあるくぼみ部分です。

【三陰交・さんいんこう】
内くるぶしの頂上から指4本分上にある、”すねの骨”と”ぶくらはぎの筋肉”の境目にあるツボです。足を通る3つの陰の経路(内側の事)が交わった部分なので三陰交と呼ばれています。
インターネット上で一部『妊娠中に三陰交を抑えると流産する』といった、デマが流れたようです。妊娠初期や妊娠中でも、抑えたからと言って流産する事はないようです。(念のため、自己責任でお願いいたします。)

【天枢・てんすう】
お腹にあるツボです。おへそから両側に指2~3本外側に存在する。”天”は上半身を意味し、”枢”は枢軸(要所)を意味します。
お腹のツボを刺激(押して刺激)すると、腸への刺激が加わるので内臓の動きを活発にし即効性が高いのが特徴的です。

【中府・ちゅうふ】
肩にあるツボです。鎖骨沿いに指で触っていくと、肩の関節と一番近くなる部分の少し下側にくぼみがあります。その位置が中府になります。
この場所は、胃・脾(食べて吸収する生命の源となる部分)のエネルギーが集まる部分と言われています。

【太衝・たいしょう】
足の甲にあるツボです。親指と人差し指沿いを真っすぐ上ってきて二本の骨が交わる部分です。動脈が走っているので拍動を感じれたら、その場所でOKです。
太(大きい・大きな)、衝(要衝・大切な地点)という意味があり、大きな気血(エネルギー)が流れる大切な部分です。その部分に大きな動脈が走っていますので、何となくイメージはしてもらえるかもしれませんね。

メリット
- 東洋医学的な考えで、身体の内側から体質改善を図れる。
- 場所さえ覚えれば、いつでも簡単にマッサージできる。
デメリット
- 何となく専門的で、取っつきにくい。
- 体質改善なので、時間がかかる事を承知できるか。
2-3 運動をする

静脈の血流が滞っているので、身体の筋肉を動かしてあげると血流が改善できます。”第二の心臓”と呼ばれている『ふくらはぎ』をよく動かす事も忘れずにしたいところですね。
運動をすると血液のポンプである”心臓”と”ふくらはぎ”を鍛える事が出来ます。この二つのポンプをが強く動く事で、全身に滞りなく血液を循環させることが出来るようになります。
血液の循環を良くする以外にも、ストレスの発散や気分転換、手軽な達成感なども得られるので精神的な安定感も生まれやすくなります。
運動は身体にとってもメリットが多いですが、持病などにより運動を制限されているような方は注意しなければいけない事もあります。
病気によって運動を制限されている方は、まず主治医の先生と相談しながら安全を優先させた方がいいかもしれませんね。
メリット
- 運動する事で気分転換にもなる。
- ダイエットも期待できる。
- 原因の筋肉そのものを動かすので、実感が早い。
デメリット
- 運動が嫌いな方は、取っつきにくさがある。
- 病気などで制限されている方は、慎重になる必要もある。
2-4 食事で改善させる

『塩分を少なくする』とか『アルコールを飲まない』といった食事法がありますが、極端になると家族や周りの人も巻き込んでストレスの原因になるので気を付けて下さいね。
無理してアルコールを抜いたり、極端に味の薄い物食べてても楽しくないですからね。程々にですよ☆長く続けられるように、コントロール出来るようになればいいんですから(^^)/
なので、今回は『身体を冷やさない食べ方』について書いていきます!
食べ物の種類によっては、身体を冷やす食べ物と温める食べ物の二種類があります。冷やす作用の食べ物を取り続けると、身体が冷えてしまい調子を崩してしまいます。
身体を冷やすと、第二の心臓と呼ばれる”ふくらはぎ”や”内臓”の調子も悪くなってしまいます。ふくらはぎや内臓が調子を崩すと、体内の水分代謝や血流などが悪くなってしまい『むくみ』が発生しやすくなるのです。
冷えから身体を守るために、食事で気を付けたいことは『身体を温める食べ物』を選ぶ事です。東洋医学の世界では、食べ物を『温』と『寒』の作用がある物(二種類)に分けて考えられています。
簡単なイメージで表すと、夏が旬の食べ物は『寒』の作用を強く持ち合わせています。逆に冬が旬の食べ物は『温』の作用を強く持ち合わせています。
【夏】
- きゅうり
- キャベツ
- トマト
などの食べ物が代表的ですね。
【冬】
- 根ショウガ(新ショウガではない)
- ごぼう
- れんこん
などの食べ物が代表的ですね。
何となくですが、夏場の食べ物は水分が多く体を冷やしそうなイメージの物が多いですよね。逆に冬場の食べ物は繊維質が多く、内臓をよく動かしてくれそうなイメージの物が多いですよね。
『じゃあ、夏野菜は食べないほうがいいの?』…そんなことはありません。発酵食品にしたり加熱調理してしまえば、体を温める食べ物に変ってしまいます。
きゅうりのぬか漬け、トマトとキャベツの温スープなどが丁度良いかもしれませんね☆

※『中医学』とは、中国医学(東洋医学)の事をいいます。
メリット
- 工夫次第で季節を問わず、身体を温められる。
- 自然と健康意識が高まる。
- 家族を含めて健康のコントロールが出来る。
デメリット
- 料理が嫌いな方にとって、取っつきにくさがある。
- 好き嫌いなどもあるので、メニューを考えるのが大変。
2-5 お風呂や衣服で身体を温める

誰でも一度は経験されている”足元の冷え”。足の冷えって、身体の他の部分の冷えより敏感に感じる事ってないですか?それもそのはずで、足は人間にとってとても大切な場所だから。
二足歩行で生活している人間にとって、足元は大地にふれる唯一の部分です。まさしく、身体全体を支える土台(基礎)となる部分です。
その大切な基礎部分(足元)が冷えで不調になったり、痛みや異常が出てしまったら大変な事になりますね。基礎部分がバランスを崩せば、全身に不調を及ぼしてしまいます。
東洋医学の観点からも、足は人間にとって大切な部分と捉えられています。足元には、身体中に関係するツボがあると言われています。
”頭寒足熱”という言葉があります。これには『頭に血が昇ってしまうと夜も眠れず身体の不調を招くが、足元を温めると安眠できて身体の調子が良くなる』という意味が込められています。
寝不足で調子が悪くなると、身体中むくんでしまう事ありますよね?今も昔も、基本的には人間の身体は変わらずに”冷え”から守ってあげないといけないんですね。

メリット
- 手軽に簡単に始める事が出来る。
- 原因の分からない症状(不定愁訴と言います)の改善が期待できる。
- 身体全体の調子を整える事が期待できる。
デメリット
- 足元を冷やさないために、ファッションに影響するかもしれない。
2-6 足を高く上げて寝る・足上げ運動

足を高く上げて寝ることで、下半身に溜まりがちな血液(水分)を心臓に戻りやすくします。立った状態や椅子に座った状態ですと、血液を足元から心臓まで押し戻すのに重力の影響で難しくなるためです。
立った状態では心臓へ血液が戻りにくくなるため、静脈圧(静脈内の圧力)が高くなり水分が下半身に溜まってしまい『むくみ』が出やすくなってしまいます。
むくみを解消するためには、静脈の血液を心臓へとスムーズに戻してあげなければいけません。そのために行うのが、足を高い位置にして横になる方法です。
就寝時、足を高くする目安は10~20cm以内と言われています。短時間の場合は、仰向けで壁にお尻を付けた状態で真上に足を上げる『足上げ運動』などがあります。
注意しなければいけないのは、心臓が弱ってしまっている方です。心臓が弱っている方は、急激に下半身の水分が戻ってくると心臓に負担がかかりすぎると言われています。
心臓の機能が低下している場合は注意が必要です。体を横にすることはむくみの予防・解消のためにお勧めできるのですが、足にたまった多量の水分が一気に上半身に戻ると肺や心臓に負担をかけることがあります。それが呼吸困難や心不全を引き起こす原因にもなります。
メリット
- 寝ている間に出来るので、簡単に始められる。
- 短時間でする場合でも、簡単なエクササイズ感覚で始められる。
デメリット
- 心臓の弱っている方などは注意が必要。
- 足上げ運動をする時は腰や首を痛めないように注意が必要。
2-7 ストレスにならない程度にしておく

ストレスは自律神経のバランスなどを崩し不調の原因になります。身体が不調になってくると不眠やイライラといった状態を招き、どんどん悪循環にはまってしまいます。
そんな時は、周りの環境を変えるために遊びに出かけてみるとか、誰かに話してみるとか。そんなチョットした事でも、結構楽になります。
皆さん何かしら悩みはお持ちかと思いますが、ずっと気にし過ぎるのって辛いですもんね。
身体の悩みを気にする人って、健康意識の高い方に多いと思います。それだけ意識の高い人なら、きっと良くなると思いますよ。
メリット
- チョットした気持ちの切り替えで楽に考えれる。
デメリット
- 悩んでいる時に限って、なかなか行動に移しにくい。
3 まとめ
以上、7つの解消法のメリットとデメリットを紹介しました。どうでしたでしょうか?
結局、どれか一つの方法だけやるより、他の方法も併せて続ける方が良さそうですよね?体の環境を変えるためには、色々な方法の合わせ技で改善するのが一番良いのかもしれませんね。
今回は代表的な7つの解消法でしたが、他にも方法はいくつも存在します。でも、どれもほかの方法との合わせ技で続けてみるのが一番の近道になるかもしれませんね。
『むくみ』といっても、糖尿病や腎臓など内臓器官の病気などによる『むくみ』も存在しますので、自分だけで判断するのは危険です。
病気以外のモノでも、皮膚の潰瘍※や静脈瘤※などの怖い障害にも発展してしまう恐れがありますので、まずは原因や特徴を把握することが重要ですよ。
※『静脈瘤』とは、血管(静脈)がコブのように膨らんだ状態をいいます。
※『皮膚潰瘍』たは、何らかの原因で皮膚に穴(潰瘍)が起こることをいいます。
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